死都日本
2009.01.02 *Fri
![]() | 死都日本 (講談社文庫) (2008/11/14) 石黒 耀 商品詳細を見る |
新年早々から取り上げるのがディザスターノベルになってしまいました。
縁起が良くないでしょうか?
いや、ラストには希望が示されているので大丈夫だということにします。
本書は第26回メフィスト賞受賞作品です。
九州で破局的噴火が起こり、日本は壊滅的な被害を受けます。
その影響は日本にとどまらず世界全てを覆っていくというもの。
その過程が緻密で圧倒的な科学的知識と文章で描きだされています。
大規模な火山の噴火が如何に恐ろしいものなのかを丹念に見せられます。
かなり専門的でマニアックな部分もあるのでオタク的な印象はあるかもしれません。
噴火の危険性が知識としては理解できるかも知れませんが、心で理解できるかは微妙なところ。
規模が大きすぎるので想像力が追い付かないのかもしれません。
しかし、火山大国に住む人間として日本人は火山災害に対して、もっと真剣に考えるべきなのでしょう。
日本神話や新・旧聖書の記述を火山学の観点から読み説いた部分にはそそられました。
全体を通すセンスは中高年向けかも知れません。
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