大人の時間はなぜ短いのか
2008.12.29 *Mon
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子供の頃に比べると、歳を積み重ねて行くにつれて体感する時間はどんどん短くなっていく気がする。
こういった感覚は万人で共有できると思います。
この本では題名にあるとおり、この感覚について、認知心理学の観点から解説がなされます。
相対論や量子力学においては絶対的な今や一方向の流れの時間は存在しませんが、人間が作り出した世界時としての時計時間はそれを一方向に均一化しました。
特異点のない伸び縮み可能な物理的時間は人が体感できるステージの話ではないので、日常的には時計の時間が客観的な時間です。
しかし、人の生理的時間は均一でも一定でもなく、これも伸び縮みします。
体感時間は代謝が活発になると延びるそうです。時間経過に注意が向くと時間が文節化され、それもまた時間を延ばします。
だから、代謝が活発で一年を通して待ち遠しいイベントが多い子供時代は体感時間が長いという説明です。
他にも様々な実験結果や仮設が挙げられており、それが一般向けの表現になっているのでわかりやすい。
頻繁に出てくる錯視の例も興味深いです。
時間と上手に付き合っていきたい人向けの本といえましょう。
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