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数奇にして模型―NUMERICAL MODELS

2008.11.04 *Tue
数奇にして模型―NUMERICAL MODELS (講談社文庫)数奇にして模型―NUMERICAL MODELS (講談社文庫)
(2001/07)
森 博嗣

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毎回、様々な場所で殺人事件が起こるミステリ。
そこに作品のメインキャスト(この場合、主に西之園萌絵)が居合わせるわけですが、何故こうも毎度毎度身近で殺人事件が起こるのか。そこを追求しだすと、小説が成り立たないわけです。

で、今回の舞台は模型交換会会場の公会堂。
様々な種類のモデラーが集まるイベントらしく、中にはアニメやSFの模型やフィギュアも。
コスプレもあるようです。
ある登場人物いわく、「同人誌即売会とは違って、この会にはあまりコスプレは来ないんだけど、質の高いものは、主催者側で用意しないとね」だそうで。
そういう趣味の世界が見え隠れする舞台でした。

それに関連してなのか、文庫版のあとがきは米澤義博氏。
コミケの第二代代表だった人だそうです。
知ってる人は知っているか…………。
このあとがきで、森氏が名古屋のコミカという同人誌即売会に参加していたのだ、という事実を初めて知りました。というより、運営側だったようです。
仮にもファンだったら知ってなさい、という話です。
お恥ずかしい。
コミカは82、83年あたりで終わっているらしいので、二十年ぐらい前ですね。
これで、森氏の小説には、アニメ的な登場人物や文脈が見え隠れする理由の一端が理解できました。

内容と関係ない話になりました。
S&Mシリーズには限らないかもしれませんが、このシリーズは毎回象徴的なものが一つ出てきます。
今回は題名を読めばわかるように、模型です。
一つであるとはなんなのか。
単位とはなんなのか。
結局、人は言葉や単位で物事を単純化していくのだろうか。
模型は結果ではなく、その過程におけるトレースに意味がある。
だから模型であれば単純化を避けられる…………のではあるまいか?
そういう考え方もあるということかな、と理解してみましたが、もちろん正解なんてないので(笑。
模型を通して深遠な問いを投げかけてくるミステリでした。
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