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虚無への供物(下)

2008.06.09 *Mon
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)
(2004/04)
中井 英夫

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虚無への供物、下巻を読み終わりました。
読む前の期待が大きかったからかもしれません。
思っていたより話しに入り込む事が出来ず、なんとなく結末まで読んでしまった感じです。
とはいえ、読み終わって、やっとアンチミステリの意味が分かった気がしました。
解説にもあるように、虚無への供物は推理小説としての完璧さをあえて拒否しているようです。
奈々村久生をはじめとした素人探偵の推理合戦もその色が強いですし、やたらと暗号、符合を使っています。意味がないものに意味を見出そうとしているとしか思えませんが、推理には本来的にそういった特徴がある気もします。何度も読み返してみたくなる不確かさを持った推理小説というのは珍しいのかな?

著者自身が「反地球での反人間のための物語」といっているそうです。
想像の追いつかない勢いで現実に悲劇的な事件が起きる。
だから必然的に小説には限界がある。
一つに、こういう現実認識が考えられるでしょう。
自分は必ずしもそうは思いませんが、否定も出来ないかな。

読者の悲劇への期待があればこそミステリは成り立つ。だから犯人は読者だ。
その意味でアンチミステリなんだと理解しました。
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