This Category : 書籍全般
大人の時間はなぜ短いのか
2008.12.29 *Mon
![]() | 大人の時間はなぜ短いのか (集英社新書 460G) (集英社新書) (2008/09/17) 一川 誠 商品詳細を見る |
子供の頃に比べると、歳を積み重ねて行くにつれて体感する時間はどんどん短くなっていく気がする。
こういった感覚は万人で共有できると思います。
この本では題名にあるとおり、この感覚について、認知心理学の観点から解説がなされます。
相対論や量子力学においては絶対的な今や一方向の流れの時間は存在しませんが、人間が作り出した世界時としての時計時間はそれを一方向に均一化しました。
特異点のない伸び縮み可能な物理的時間は人が体感できるステージの話ではないので、日常的には時計の時間が客観的な時間です。
しかし、人の生理的時間は均一でも一定でもなく、これも伸び縮みします。
体感時間は代謝が活発になると延びるそうです。時間経過に注意が向くと時間が文節化され、それもまた時間を延ばします。
だから、代謝が活発で一年を通して待ち遠しいイベントが多い子供時代は体感時間が長いという説明です。
他にも様々な実験結果や仮設が挙げられており、それが一般向けの表現になっているのでわかりやすい。
頻繁に出てくる錯視の例も興味深いです。
時間と上手に付き合っていきたい人向けの本といえましょう。
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「天使」と「悪魔」がよくわかる本 ミカエル、ルシファーからティアマト、毘沙門天まで
2008.10.04 *Sat
![]() | 「天使」と「悪魔」がよくわかる本 ミカエル、ルシファーからティアマト、毘沙門天まで (PHP文庫) (2006/09/02) 不明 商品詳細を見る |
偏った趣味が出てきています。
総勢200体を簡潔に知ることができます。
このシリーズは手軽さが売り。
ゲームでRPGをやる人には聞きなじみのある名前がたくさん出てきます。
それだけで結構興味を引かれるはず。
ラノベやアニメが好きな人にも同じことが言えそうです。
エヴァが好きなら天使の項目では俄然テンションが上がるかと。
漫画や小説でも様々な引用がなされていると改めて実感しました。
たとえば「アザゼル」と言えばARMSを思い出します。
「マルコシアス」ならシャナ。
「マモン」や「レヴィアタン」なら9Sあたりか。
挙げ始めたらきりがないことは確かです。
そういう一致を探すつもりで読むのも一興でしょう。
「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス・アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで
2008.09.25 *Thu
![]() | 「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス・アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで (PHP文庫) (2005/12/02) 不明 商品詳細を見る |
100万部を突破しているシリーズ物らしいです。
この種の本にしては驚くべきセールスだと思われます。
文庫ということもあり、かなり手軽に読める内容と分量です。
必要以上に専門的ではないですが、ある程度の情報量は確保されています。
神話関係では、最初に選ぶ本として適当でしょう。
読んでいるうちに「そういえばこんな神もいたなあ」と思うこともしばしば。
新発見もありました。
神話の神はえてして絶倫が多かったりします。
ギリシア神話なんか特にその印象が強いんですが…………。
アテナ紹介のくだりで、ヘイパイストスが見せた変態っぷりには思わず吹いてしまいました。
このシリーズは値段も妥当な価格なので、他も読もうかと思います。
次は第二弾の天使と悪魔にします。
遠野物語―付・遠野物語拾遺
2008.07.31 *Thu
![]() | 遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫) (2004/05) 柳田 国男 商品詳細を見る |
角川夏の100冊で買った本です。
柳田国男は日本民俗学の確立者ですね。
旧帝大出の官僚ですから、エリートだ。
遠野物語は柳田民俗学確立の端緒になった作品だと言われています。
岩手県遠野における民間伝承や風習をまとめてあります。
個人的には、伝説や怪異譚が面白かったです。
家の神としてオシラサマやオクナイサマ、ザシキワラシなどが載っていました。
ザシキワラシは誰でも知っているでしょう。
遠野物語で紹介されて全国的に有名になった神様です。
ザシキワラシというと女の子のイメージですが、必ずしもそうじゃなかったようです。
全体を通すと、昔の人々の生活様式がわかりやすく見て取れます。
昔だからでしょうか。
コミュニティから浮いているモノや未知のモノには容赦がなかったようです。
結構突っ込みながら読んだりして(笑。
まぁそれは、ひるがえって見れば、恐れ祟えていたという事でもあるのかもしれません。
物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室
2008.07.17 *Thu
![]() | 物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室 (2002/02) G.ガルシア=マルケス木村 栄一 商品詳細を見る |
まだ読み終わってないのですが、他に読んだ本がないのでこれで。
すいません。もう少し本を読む時間をとりたいです。
ガルシア=マルケスのことは不勉強ながら知りませんでした。
ノーベル文学賞の受賞者なんですね。
本書はガルシアがやっているシナリオ教室の模様を起こしたものです。
参加者はプロのカメラマンや脚本家などで、本格的です。
要するにブレインストーミングで物語を作っていくというものですね。
映画のストーリーが生まれていく場面が描写されていてためになります。
プロットを考えていく参考になるというか。
物語で何を訴えたいか。
今考えている物語の構造は何処で、細部は何なのか。
まだ消化しきれていませんが、示唆に富んだ内容だと思います。
ちなみに、ガルシアの話には良く日本が出てきます。
昭和天皇の葬儀を写した写真に関するエピソード。
黒澤の様々な映画。
これに感化されて、ちょっと観てみようかな、と思ったり。